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見える化と可視化の違いは?日常にうまく取り入れる方法を考察

お菓子を知人からもらったときに、面白い「可視化」を見つけました。

それは寄付した分のお菓子のスペースを空けることで、もらった人にも「寄付」を印象付ける素敵な方法でした。

そこでこの記事では、日常の「見える化」や「可視化」に焦点を当てながら、それらをうまく使いながら生活がちょっと便利になる方法を検討していこうと思います。

目次

「見える化」と「可視化」とは?基本をおさらい

見える化とは、見えづらい業務内容や成果をわかりやすく具体化することです。

見える化(みえるか、Visual control)とは、企業や組織における財務、業務、戦略などの活動実態を具体化し、客観的に捉えられるようにすることである。

企業活動の分野以外でも、「見える化」という表現が用いられることがある。業種により適用方法は異なるが、一般的には問題や課題を認識するために利用される。

引用:見える化 – Wikipedia

「見える化」は、トヨタ自動車での業務改革として初めて登場した造語です。

例えば工場のライン作業で、問題なく作業が行われていれば「青」ランプ、ヘルプや部品補給が必要な場合は「黄」ランプ、故障などでラインや作業が止まった場合は「赤」ランプが付く……など、ひと目で状態がわかる仕組みを「見える化」または「目で見る管理」と言います。

そのわかりやすさから、多くの場所で使われています。

見える化に似た言葉で「可視化」があります。

可視化とは直接見ることができない現象や事実を具体化することです。

可視化とは、人間が直接「見る」ことのできない現象・事象・関係性を「見る」ことのできるもの(画像・グラフ・図・表など)にすることをいう。視覚化・可視化情報化・視覚情報化ということもある。

引用:可視化 – Wikipedia

可視化は主にグラフやテーブル・3D映像などへのわかりやすい情報化ですが、そこには「どのような行動を取るべきか」という情報はありません。情報を見る者により、活用方法やアクションはさまざまです。

その一方、「見える化」は見ようとしなくても見える・理解できる・どのような行動を取るべきかわかる内容が含まれています。

可視化の例を発見!アンリ・シャンパンティエのお菓子1個分の寄附

記事冒頭でお伝えした寄付を「見えるようにした」という例は、アンリ・シャンパンティエの東北支援プロジェクトの一環です。

アンリ・シャンパンティエの東北支援プロジェクト
【スマイルフォー東北-フロム芦屋プロジェクト】

客に了承を得たうえで、菓子詰めからお菓子1個分を抜き、その差額を寄付するというプロジェクトです。

寄付金は2011年に起こった東日本大震災の復興支援や被災学生の奨学金のために使用され、2012年から今までずっと継続して続いています(現在は2023年4月)。

例えば「1商品につき5%寄附します」と記載があっても、いまいちピンと来ませんよね。

特に贈られた方は寄附されたかされていないかもわからず、そのまま受け取って食べるだけです。

しかし、写真のように「このスペースに入るお菓子1個分を寄付しました」とスペースが空けてあれば、贈られた側も寄付されたことが実感できますよね(さらに自分は寄付していないのに、なんとなく協力したような気分になれます)。

前章の「見える化」と「可視化」の違いを考えると、この寄付分のスペースを空ける方法は可視化に当てはまるような気がします。

この寄付分のスペースを見て「寄付がお菓子1個分なされた」という情報はわかりますが、ここから「じゃあ私もなにかアクションを起こさなきゃ」と直接的には思わないからです。

小島

もちろん「私も寄付しよう」と思うかもしれませんが……

他の「見える化」や「可視化」はなにがある?

いくつか面白い「見える化」「可視化」の取り組みを見つけましたので紹介します。

中には見える化も可視化も同じように捉えているツールもありますが、

運動量の見える化

見える化は見えづらい内容をわかりやすく見えるようにし、見る者にアクションを促します。

その意味では、運動量を「見える化」し数値で表すのはとてもよい例だと思います。

例えば「運動をする!」といっても、自分が日々どれだけ運動をしているかわかりづらいですよね。

日々の階段の上り下り、家事や買い物、通勤や趣味など……どれほど自分が「動いているか」がわかれば、あとどれほど運動をすればよいのか目安が見えてくるものです。

日常生活の運動量は運動強度(METs)で計ることができます。

事務仕事なども換算できるため、1日のトータルの運動量を把握することが可能です。

活動量=運動強度×時間

例えば

運動強度(METs)1時間あたり
1.0~2.0横になってテレビを見る(1.0)
デスクワーク(1.5)
子どもを抱えながら横になる(1.5)
2.0~3.0座ってチェロを弾く(2.3)
家の中での子どもの世話(2.5)
3.0~4.0楽な歩行やランニング(3.0)
自転車の修理(3.3)
犬のシャンプー(3.5)
車いすを押して歩く(3.5)
ほどほどの労力を使う歩行やランニング(4.0)
4.0~5.0屋根の雪下ろし(4.0)
樹木の植栽(4.5)
5.0~6.0雨戸を設置する(5.0)
乗馬(5.5)
6.0~7.0ノコギリで硬い板を切る(6.0)
ソフトボール(6.0)
7.0~ランニング・ジョギング(7.0)
ランニング・マラソン(13.3)
参考:2011mets.pdf (nibiohn.go.jp)

こちらでより具体的な運動強度を確認することができます。

自分の活動量を算出するだけならば「可視化」かと思いますが、知ることで運動を増やす仕組みがあれば「見える化」かな……と思います。

レコーディングダイエット

レコーディングダイエットとは、記録を付け自分の食べたものを把握し、自ずから自然と食事改善・食事制限をしていくというダイエット方法です。

ノートに手書きでメモしたり、写真を撮ってオンライン上で管理したり、レコーディングの方法はさまざまです。

現在ではアプリも多数出ています。

例えば

あすけんは食事内容を選ぶだけで、食生活改善とダイエットができるアプリです。

引用:あすけん – ダイエットアプリ (asken.jp)

「栄養素が不足している」「この栄養が多すぎる」と指摘されたら、過不足なく栄養を摂取しようと感じますよね。

「見える化」することで、より具体的な自分自身の食事内容について確認&改善ができます。

生活のタスクを見える化

生活のタスクを「見える化」することで、やり残しを防いだりスムーズな行動が実行できます。

例えばこちらは、我が家で使っている「子どものやること」を見える化したツールです。

子ども自身がやらなければならないこと・タスクが書いてあるマグネットを、タスク完了後に裏返す……というもの。

これにより、子ども自身が「まだ終わってないものがある」とわかり、終わっていない作業やタスクに取り掛かることができます。

小島

ひとりで準備をする習慣をつけさせたいですが、子どもは不慣れだったり、なにを準備すればよいのかわからなかったりしますよね。

この「見える化」で子どもでも簡単に次の作業がわかります♪

マグネットなので自分たちで作れますし、既製品もたくさん出ています。
(自分で作る場合は子どもが好きなキャラクターを使うのがおすすめです)

便利な「見える化」ツールを使い、ぜひ家庭にも業務改善のアイディアを取り入れてみてくださいね。

見える化のデメリット「見えなくなるもの」とは?

見える化により、視覚的・感覚的に業務内容やタスクがわかりやすくなります。しかしその一方、デメリットも。

  • 可視化しづらいものが「見えなくなる」
  • 「見える化」による心理的負担の増加

ひとつずつ説明しますね。

可視化しづらいものが「見えなくなる」

グラフや図形、パッと見てわかりやすい方法で「見える化」を行うと、作業順序や業務がわかりやすくなり便利です。

しかし、可視化しづらいものは「見える化」が困難な場合が多く、可視化できないことにより「ないこと」になってしまう恐れがあります。

例えば、営業成績をグラフにし、誰が成果を上げているかわかりやすくする「見える化」があります。

多くの場合は「契約数」「売上」などがグラフにされますが、そこには「売れたか」「売れないか」の2つしかありません。

  • 誰かのサポートで契約できたのか
  • 一過性のブームにより売上が伸びたのか
  • 偶然が続いただけではないか

なぜそうなったのか要因が見えづらく、そして見えた結果に満足してしまいがちです。

小島

例えば、順位が1番だったことに安心し、昨年から売り上げが落ちていることに気がつかなかったり……

「見える化」による心的負担の増加

「見える化」はわかりやすいのがメリットですが、それがプレッシャーになることがあります。

例えば教科ごとに成績を貼り出した場合、どの教科を重点的に勉強すればよいかすぐにわかる反面、「しなければならない」という心的負担が生まれます

また、他の人と比べる・理想の自分を掲げる(ダメな自分と比べてしまう)などもストレスがかかります。

小島

あまりにメンタル面で負担になったり、できなさすぎて「もういいや」と辞めてしまうような「見える化」はシステムとしてあまりよくはありませんね。

「見える化」を取り入れる場合は家庭環境やメンバーに合った方法を模索していきましょう。

例えば

状況を理解する・見えるのは親だけでよい……という考えもありますよね。

目で見てプレッシャーを感じやすい子どもなどは、親がさりげなく行動を促すなどの工夫も必要かもしれません。

「見える化」と「可視化」日常にうまく取り入れよう

見える化も可視化も見えづらいものを具体化しわかりやすくする、という意味があります。

しかし見える化にはさらに「見えたら○○する」と、次の行動を促進したり、業務改善につなげたりする意図が隠されています。

家庭や日常は企業や会社とは異なりますが、見える化や可視化をうまく使い、生活全体を過ごしやすくすることができるのではないでしょうか?

小島

お菓子1個分のスペースを空けることで……というのも、別のなにかに応用できそうですよね。
例えば、ものの位置を具体的に決めて、整理しやすくするとか……
(要検証ですね)

最後までご覧いただきありがとうございました♪

「見える化」と「可視化」の本もありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

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